1.4. Red Hat Linux の CD-ROMを利用してインストールができますか?

Red Hat Linuxをインストールする方法はいくつかあります。

CD-ROMからのインストールにはRed Hat Linux 9の製品を購入しているか、 Red Hat LinuxのCD-ROMを持っておりシステムにCD-ROMドライブが装着してある 必要があります。最近のほとんどのコンピュータはCD-ROMからの起動が 可能になっています。システムでCD-ROMからの起動がサポートされている 場合は、ローカルのCD-ROMインストールを簡単に開始することができます。

CD-ROMから起動するためにBIOSの設定を変更する必要があるかもしれません。 BIOSの編集についての詳細は項3.3.1を ご覧ください。

1.4.1. 代わりの起動方法

ブートCD-ROM

CD-ROMドライブを使用して起動できる場合、インストールプログラムを起動する ための自分用CD-ROMを作成することができます。例えば、ネットワークを 介してまたはハードドライブからインストールを実行している場合などに 役に立ちます。 詳細は項1.4.2を参照してください。

ブートCD-ROMの作成を選択する場合は、ドライバディスクを作成する必要は ありません。

CD-ROMドライブから起動できない場合は、次のような代わりの起動方法が 利用できます。

ブートディスク

ブートディスクが必要な場合は[1]ブートディスクを作成します。CD-ROMから 起動できない場合には、ブートディスクが必要となります。 ネットワーク、ブロック、あるいはPCMCIAデバイス からの起動に使用することができます(それぞれの起動に対応 ドライバも必要となります)。

ブートディスクのイメージファイル、bootdisk.imgは、 Red Hat LinuxのCD-ROMのimagesディレクトリにあります。 ブートディスクの作成についての詳細は項1.4.3を 参照してください。

ブートディスクの作成を選択する場合には、ネットワークを介してあるいは ハードドライブからインストールを実行する際に適切なドライバディスクも 作成する必要があります。

ドライバディスク

IDE CD-ROMインストールあるいはハードディスク インストール以外を実行していて、ブートディスクを使用している場合 には、実行前に作成しなければならないドライバディスクが少なくとも ひとつ必要になります。インストールプログラムが適切な 段階でドライバディスクを挿入するよう指示してきます。

ドライバディスクについての詳細は付録Fを参照 してください。

Red Hat Linuxのインストール中に、次のようなドライバディスクが要求されるかもしれません。

ネットワークデバイスのドライバディスク

ネットワークから起動するためにネットワークデバイスの ドライバディスクが必要な場合は、ネットワークデバイスの ドライバディスクを作成します。ネットワークデバイスのドライバ ディスクのイメージファイル、drvnet.imgは、 Red Hat LinuxCD-ROMのimages/ディレクトリにあります。 ディスクの作成についての詳細は項1.4.3 または、付録Fを参照してください。

ブロックデバイスのドライバディスク

ブロックデバイス(例えば、SCSI CD-ROMドライブなど)から起動するために ブロックデバイスのドライバディスクが必要な 場合はブロックデバイスのドライバディスクを作成してください。 ブロックデバイスのドライバディスクのイメージファイル、 drvblock.imgは、Red Hat LinuxCD-ROMのimages/ ディレクトリにあります。ディスクの作成についての詳細は 項1.4.3または、付録Fを 参照してください。

PCMCIAデバイスのドライバディスク

Red Hat LinuxをインストールするためPCMCIAデバイスを使用している場合には、 PCMCIAデバイスのドライバディスクが必要かもしれません。 PCMCIAデバイスのドライバディスクが必要な場合にはPCMCIAデバイスの ドライバディスクを作成してください。

PCMCIAデバイスドライバディスクを作成する必要があるか次のチェック リストで確認してください。

  • CD-ROMからRed Hat Linuxをインストールする。CD-ROMドライブはPCMCIAカードを 経由してコンピュータに接続されている。

  • インストール時にPCMCIA ネットワークアダプタを使用する。

PCMCIAデバイスドライバディスクのイメージファイル、 pcmciadd.imgは、Red Hat LinuxCD-ROMの images/ディレクトリにあります。 ディスクの作成についての詳細は 項1.4.3または付録Fを参照してください。

注意注意
 

USBディスクドライブ — USBディスクドライブで ブートディスクを使用しインストールプログラムを起動することもできます (システムがUSBディスクドライブからの起動をサポートしている場合)。

1.4.2. インストールブートCD-ROMの作成

isolinuxはRed Hat LinuxインストールCDを起動するために 使用されます。インストールプログラムを起動するための自分用CD-ROMを 作成するには、以下の手順にしたがってください。

以下のコマンドを使用して、isolinux/ディレクトリを最初の Red Hat LinuxCD-ROMからテンポラリディレクトリ(ここでは < path-to-workspace>)へコピーします。

cp -r <path-to-cd>/isolinux/ <path-to-workspace>

作成した<path-to-workspace >ディレクトリへ移動します。

cd <path-to-workspace>

コピーしたファイルが適切な権限を有しているか確認してください。

chmod u+w isolinux/*

最後に、次のコマンドを入力してISOイメージファイルを作成します。

mkisofs -o file.iso -b isolinux.bin -c boot.cat -no-emul-boot \ 
-boot-load-size 4 -boot-info-table -R -J -v -T isolinux/

注意注意
 

上記のコマンドが2行に分かれているのは印刷上の 都合によるものです。このコマンドを実際に実行するときは、この コマンドすべてを一行に続けて入力するよう注意してください。

できあがったISOイメージを(file.isoと呼ばれ <path-to-workspace> にあります)、通常通りにCD-ROMへ焼き付けます。

1.4.3. インストールブートディスクの作成

isolinuxはRed Hat LinuxインストールCDを起動するために 使用されます。Red Hat LinuxCDからの起動に問題がある場合は、 images/bootdisk.imgイメージをディスクへ書き込むことができます。

場合によっては、image fileからフロッピーディスクを 作成する必要があります。例えば、Red Hat Linux errataページから入手したアップデート ディスクイメージを使用する場合などです。

http://www.redhat.com/apps/support/errata/

イメージファイルはフロッピーディスクの内容と全く同じコピー (イメージ)を含んでいます。フロッピーディスクはファイル内に 含まれているデータの他に、ファイルシステム情報も含んでいます のでイメージファイルの内容は、フロッピーディスクへ書き込まれる まで、使用できない状態です。

開始するには、空のフォーマット済み、high-density (1.44MB)、 3.5インチフロッピーディスクが必要です。3.5インチのフロッピー ディスクドライブがあるコンピュータで操作する必要があります。 そのコンピュータで、MS-DOSプログラム、またはほとんどのLinux系 オペレーティングシステムに収納されているdd ユーティリティのどちらかを実行できる必要があります。

Red Hat LinuxCD-ROMのimages/ディレクトリには ブートイメージが含まれています。適切なイメージ(bootdisk.img )を選択してから、次の方法のいずれかを使用してイメージファイル をフロッピーディスクに転送します。

1.4.3.1. rawriteユーティリティの使用

MS-DOSを使用してディスクを作成するには、Red Hat LinuxCD-ROMの dosutilsディレクトリにある rawriteユーティリティを使用します。まず、空の フォーマット済み3.5インチフロッピーディスクにわかりやすい ラベル(「ブートディスク」、「更新ディスク」など)を貼ります。 このディスクをディスクドライブに挿入して、次のコマンドを 使用します(CD-ROMドライブはD:ドライブと 想定しています)。

C:\> d:
D:\> cd\dosutils
D:\dosutils> rawrite
Enter disk image source file name: ..\images\bootdisk.img
Enter target diskette drive: a:
Please insert a formatted diskette into driveA: and
press --ENTER-- : [Enter]
D:\dosutils>

rawriteを実行すると、ディスクイメージのファイル名を 入力するよう指示されます。そこで書き込むイメージのディレクトリと名前 を入力します(例えば、..\images\bootdisk.img など)。次にrawriteはイメージ の書き込み先ディスクドライブを入力するように指示します。そこで、 a:と入力します。最後に、 rawriteは、指定したドライブの中にフォーマット済み ディスクがあることを確認するように指示します。[Enter]を 押すと、rawriteはイメージファイルをディスクに コピーします。さらに追加のディスクを作成する必要がある場合は、 別のディスクにラベルを貼り、適切なイメージファイルを指定して rawriteをもう一度実行します。

注意注意
 

rawriteユーティリティは filename.imgなど8.3-typeのファイル名のみ 受けつけます。[2] http://www.redhat.com/ から、update-anaconda-03292002.imgと同じような 名前のアップデートイメージをダウンロードする場合は、 rawriteを実行する前にそれをupdates.img と言うような名前に変更する必要があります。

1.4.3.2. ddコマンドの使用

Linux (又は、その他のLinux-系オペレーティングシステム)上でディスクを 作成する場合は、3.5インチディスクドライブを表すデバイス(Linuxでは/dev/fd0 とされています)に対する書き込み権限を持っていなければ いけません。

まず、空のフォーマット済みディスクにわかりやすいラベルを貼っておきます (「ブートディスク」、「更新ディスク」など)。これをディスクドライブに 挿入します(ディスクはmountしません。[3])。Red Hat LinuxCD-ROMをマウントした後で、 希望するイメージファイルがあるディレクトリに切り替えます。そして、 次のコマンドを使用します(必要に応じてイメージファイルの名前とディスク デバイスを変更します)。

dd if=bootdisk.img of=/dev/fd0bs=1440k

別のディスクを作成するには、ラベルを貼り、適切なイメージファイルを指定 してもう一度ddを実行します。

注意

[1]

ブートディスクは、インストールプログラムを起動(または開始) するために自分で作成したディスクでも、あとでオペレーティング システムの起動に使用できるようインストールの過程で作成する ディスクのどちらでも構いません。通常、コンピュータはハードディスク から起動しますが、ハードディスクが壊れている場合には 起動可能なディスクから起動することができます。

[2]

8.3-typeファイル名は、8文字と ピリオド、ファイル名拡張子の3文字で名前をつける慣習からきて います。この慣習は1文字から8文字までスペースなしのファイル名を サポートし、名前の先頭に?または_ を付けることはできません。

[3]

フロッピーまたはCD-ROMをマウントすると、そのデバイスの内容が使用 可能になります。詳細についてはRed Hat Linux 入門ガイドを参照 してください。