3.3. インストールプログラムの開始

インストールを開始するには、まずインストールプログラムを起動 します。インストールに必要な材料がすべて揃っていることを確認 してください。すでに第1章 を読み終り、 指示に従っているならばインストールを開始する 準備が整っている はずです。

注意注意
 

ハードウェアコンポーネントの中には、時おり、インストール時に ドライバディスクを必要とするものが あります。ドライバディスクは、インストールプログラムでサポート されないハードウェアのサポートを追加するためのものです。 詳細は付録Fを参照してください。

3.3.1. インストールプログラムの起動

次のいずれかのメディアを使用して(ご使用のシステム がなにをサポートするかによる)、インストールプログラム を起動することができます。

ブートCD-ROMを作成するには項1.4.2を 参照してください。

ブートディスクを作成する時は項1.4.3 を参照して下さい。

ブートディスクをコンピュータの1番目のフロッピーディスクドライブ に挿入して、コンピュータを再起動します(コンピュータがCD-ROM からの起動をサポートしている場合は、CD-ROMから起動します)。 フロッピーディスクまたはCD-ROMの起動ができるようにするため BIOSの設定を変更する必要があるかもしれません。

ティップヒント
 

BIOSの設定を変更するには、コンピュータの 起動の初期段階で画面に表示される指示を注意してお読みください。 BIOS設定に入るために、[Del] キーか[F1 ]キーを押すようにテキスト案内がでてきます。

BIOS設定プログラムに入ったら、起動順序を変更できるセクションを 見つけてください。標準設定では、C、Aの順、または、A、Cの順に なっています(ハードディスク[C]から起動するか、 フロッピー ディスク[A]から起動するかによる)。この順番を変えて、CD-ROMが 起動順の一番目になるようにして、その後はCまたはA(標準設定の 順による)を2番目にします。これでコンピュータに指示を出して、 ブート可能なメディアのCD-ROMドライブを最初に見にいくように なります。CD-ROMドライブにブート可能なメディアがなければ、 2番目のハードドライブあるいはフロッピーディスクをチェック するわけです。

変更を保存してBIOSを終了します。詳細については購入された システムに付属のマニュアルを参照してください。

しばらくすると、boot:プロンプトの画面が出てくる はずです。この画面には、各種の起動オプションに関する情報が 含まれています。各起動オプションには、ヘルプ画面が関連付け されています。ヘルプスクリーンにアクセスするには、画面の下部 に表示されるリストに従って適切なファンクションキーを押して ください。

ブートプログラムを起動するに際して、以下の2点に注意してください。

通常は[Enter]キーを押すだけで起動します。ブート メッセージを見て、Linuxカーネルがハードウェアを検出しているか どうか確認します。ハードウェアが正常に検出されたら、次の セクションへ進みます。ハードウェアが正常に認識されない場合、 エキスパートモードでインストールを再実行する必要があるかも しれません。

3.3.1.1. 他の起動オプション

ユーザーにとっては、CD-ROMで起動してグラフィカルインストールを 実行するのが一番簡単ですが、場合によっては他の方法での起動が 必要になることがあるかもしれません。このセクションではRed Hat Linux 用の他の起動オプションについて説明します。

注意注意
 

このセクションで扱っていない他の起動オプションについては 付録H を参照してください。

  • グラフィカルインストールを実行したくなければ、 以下のブートコマンドを使用してテキストモードのインストールが 開始できます。

    boot:linuxtext
  • ISOイメージにはその中にmd5sumが埋め込まれています。ISOイメージ のチェックサムの一貫性をテストするには、インストールブート プロンプトで次のように入力します。

    boot:linux mediacheck

    インストールプログラムがCDの挿入、または、テストのためのISO イメージの選択をするように指示してきますので、 OKを選択してチェックサム演算を実行させます。 チェックサム演算はどのRed Hat Linux CD上でも実行できて、特別な 順番で操作する必要はありません(例えば、CD #1が最初に検証する CDである必要はない)。ダウンロードされたISOイメージから作成 されたRed Hat Linux CDはどれもこの演算を実行することを強く推奨 します。この操作はISOイメージを使用したCDベースの インストール、ハードドライブインストール、NFSインストールに 有効です。

  • インストールプログラムが正常にハードウェアを検出しない場合には、 expertモードでインストールを再開始 する必要があるかもしれません。次のブートコマンドを使用して エキスパートモードに入ります。

    boot:linux noprobe

    テキストモードインストールには次を入力します。

    boot:linux text noprobe

    エキスパートモードは、ほとんどのハードウェア検査を無効にして、 インストール中にロードされるドライバ用のオプションを入力 する選択肢を与えてくれます。最初のブートメッセージにはSCSI またはネットワークカードへの参照は含まれていません。 これは正常です。これらのデバイスはインストールプロセスの途中 でロードされるモジュールによってサポートされます。

  • シリアルモードでインストールを実行する 必要がある場合は以下のコマンドを入力します。

    boot:linux console=<device>

    テキストモードインストールには次を入力します。

    boot:linux text console=<device>

    上記のコマンドで <device>とは 使用しているデバイスのことです(ttyS0、ttyS1など)。例えば、 linux text console=ttyS0,115200n8などを 入れます。

3.3.1.2. カーネルオプション

カーネルにオプションを渡すこともできます。例えば、 カーネルに対してシステムのRAM、128MBをすべて 使用するように指示するには、以下のように入力します。

boot:linux mem=128M

テキストモードインストールには次を入力します。

boot:linux text mem=128M

オプションを入力してから[Enter]を押すと、 オプションを使用した起動を開始します。

ハードウェアを認識するために起動オプションを指定する必要が ある場合は、 そのオプションを書き留めておきます。 インストールのブートローダー設定部分で必要になります (詳細については項3.20を参照 してください)。

3.3.1.3. フロッピーディスクを使用しない起動

Red Hat LinuxCD-ROMはブート可能なCD-ROMをサポートするコンピュータで 起動することができます。すべてのコンピュータがこの機能を サポートするとは限りません。ご使用のシステムがCD-ROMから 起動できない場合は、ブートディスクを使わずにインストールを 開始する方法がもうひとつあります。以下の方法はx86ベースの コンピュータ専用です。

システムにMS-DOSがインストールしてある場合、ブートディスクを 使用しないでも直接、CD-ROMドライブから起動できます。 実行するには、以下のコマンドを使用します(CD-ROMは d:ドライブと仮定しています)。

C:\>d:
D:\>cd \dosutils
D:\dosutils>autoboot.bat

この方法はwindow上のMSーDOSプロンプト内では動作しません。 — autoboot.batファイルはDOSが唯一の オペレーティングシステムという状態でのみ実行される必要があります。 言い替えれば windowが動作していてはいけません。

コンピュータが直接、CD-ROMから起動できない(また、DOSベースの autoboot.batも使えない)場合は、ブート ディスクを使用してインストールを始める必要があります。